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薬の使い方

以前に処方してもらった薬を使ってもいい?

夜中、急に熱が出たり、呼吸が苦しくなったり、吐いたりしたときは何とかしてあげたいですよね。
受診する前に薬を使うと、診断が正確にできなくなることがあるといわれていますが、比較的使ってもよい薬と使わないほうがよい薬がありますので、簡単に説明しておきます。

熱さまし(解熱剤)

熱が38℃以上あってつらそうなときは、内服薬のアセトアミノフェン(コカールやカロナール)、坐薬のアセトアミノフェン(アルピニー坐薬、アンヒバ坐薬)であれば使って構いません。
アセトアミノフェン以外の解熱薬は、子どもでは使わないのが一般的です。

ゼーゼーの薬(気管支拡張薬、ステロイド薬)

喘息で息が苦しいときは、まず気管支を広げる薬(気管支拡張薬)を使います。
気管支拡張薬の飲み薬には、ツロブテロール(ベラチン、ホクナリン、セキナリン)、プロカテロール(メプチン)などがあります。
貼り薬にはツロブテロールテープ(ホクナリンテープ、セキナリンテープ)、吸入薬にはアドエア、メプチンエアーなどがあります。
これらの薬は使っても構いません。
もっとも即効性があるのは吸入薬で、次に飲み薬です。
貼り薬(ツロブテロールテープ、ホクナリンテープ、セキナリンテープ)は即効性がありません。
薬の成分が皮膚からゆっくり吸収されるためです。

喘息発作がひどいときは、気管を落ち着かせるためにステロイド薬(デカドロンエリキシル、プレドニンなど)を使うこともあります。
使い方を医師や薬剤師から聞かれているのであれば使用して構いません。

咳止め(鎮咳薬)

デキストロメトルファン(メジコン)は安全な薬なのでよく使われます。
ツロブテロール(ベラチン、ホクナリン、セキナリン)やプロカテロール(メプチン)などの気管支拡張薬も咳を落ち着かせる薬として使われることがあります。
これらの薬も量を守れば、比較的安全ですから使用しても構いません。
リン酸コデイン(リンコデ)という薬はよく効きますが、喘息発作で咳が出るときは使わないほうがよいとされています。

咳には病原菌や痰などを排出する役割があるといわれています。
そのため、完全に止めなければいけないわけではありません。
咳止めは、咳が出て困るときに飲む頓服での使用がよいと考えられます。

ときには、風邪をひいたあと、1~2週間経っても咳が出ることがあります。
風邪のウイルスは、1~2週間経てば、ほとんどいなくなっているはずですが、それでも咳が止まらないわけです。
ウイルスがいないのに咳が出続けるのは、気管を傷めるためあまり好ましいことではありません。
長引くときの対処方法は病院で聞いておきましょう。

吐き気止め(鎮吐薬)

ドンペリドン(ナウゼリンドライシロップ、ナウゼリン錠、ナウゼリン坐薬)やメトクロピラミド(プリンペラン細粒)は使用して構いません。
熱性けいれんの既往がある方は、高熱時にメトクロピラミド(プリンペラン)を飲まないほうがよいことがあります。
けいれんを誘発するかもしれないからです。

抗生剤(抗生物質、抗菌薬)

診察を受ける前に抗生剤(抗生物質、抗菌薬)は飲まないほうがよいとされています。
抗生物質を飲んでしまうと、正確な検査ができないことがあるためです。
たとえば、溶連菌感染症の迅速検査(のどの検査)や感染性胃腸炎の便培養検査(病原菌の種類を調べる検査)では、細菌に感染していても結果が陰性(異常なし)になってしまうことがあるからです。

日にちが経った薬を使っても大丈夫?

処方されてから日にちが経った薬を飲んでいいか迷うことありますよね。
薬には使用期限がありますから、あまり日数が経つと期限が切れるだけでなく、体重も増えていて服用量が足りなくなることもあります。
錠剤、坐薬、点眼薬、点耳薬は、開封していなければ使用期限まで大丈夫ですが、シロップや分包しているドライシロップは、使用期限まで持たないかもしれません。

一般には、シロップ(液体)より、ドライシロップ(粉)、錠剤、坐薬のほうが傷みにくいかもしれません。
シロップでは、入れ物につばが入ったりすると、短い日数で使用できなくなります。
坐薬は、冷蔵庫に保管しなくてもいいのですが、体温ぐらい高温(34~39℃)になると溶けてしまう製剤もあるので注意する必要があります。

薬を食前に飲んでもいい?

子どもは、おなかがいっぱいになると薬を飲みたがらなくなることがあります。
薬の中には、食後に飲まないと胃を傷めるものもありますが、小児科ではほとんどそういう薬は処方されません。
多くの薬は、食前に服用したほうが飲めるためメリットが高くなります。

空腹で飲まないと効かない薬がある?

空腹時に飲まないと効果が落ちるフェキソフェナジン(アレグラ)やディレグラ、ビラマチン(ビラノア)といった薬があります。
よく鼻水、鼻づまり、かゆみ止めとして処方されます。
空腹時に飲まないと効かない薬は、薬局でもらう説明書(薬袋、お薬手帳)に書いてあります。空腹時の目安は、食事の1時間以上前かつ2時間以上あとということになります。

空腹で飲むとおなかが痛くなる薬がある?

子どもでは、めったに処方されませんが、ミノサイクリン(ミノマイシン)などのテトラサイクリン系抗生物質やジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)などの非ステロイド性抗炎症薬は、胃の粘膜が荒れておなかが痛くなることがあります。
これらの薬は、食後に飲む必要があります。

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